信州へ 岐阜まで来れば、信濃はすぐお隣の県だ。あいば荘へ行こうと決めていた。飛騨高山からしばらく走れば安房峠。以前はこの峠道をトラックやら、ツーリングのバイクやらが、つづら折れの道をあえぎながら走っていたのだった。峠を貫通するトンネルがいつのまにやら出来て、上高地への入り口まで楽に走れるようになったと友人が言っていた。 トンネルの入り口で、ふと見上げたら、雪をかぶった山が達者でな〜って言ってるみたいぢゃないか。
この山の名前は知らないが、多分、めちゃくちゃ有名な山に違いない。いくつかの名前は思い浮かぶんだが、デタラメ言っちゃいけないので。 上高地から下がる道沿いの川は物凄い量の雪解け水が流れていた。やはりここは、日本の屋根だ。 曲がりくねった道を疲れながら下って、いつのまにやら松本にいた。この辺からは高速で長野を経由して飯山までは比較的楽に行けるはずだ。 懐かしい安曇野だ。本当に久しぶりに北アルプスの北部の山々を眺めながら、車の中でしばらく昼寝をした。
鹿島槍に爺が岳だ。考えてみれば、この辺へ年に10回以上も来ていた頃、渓流釣りを知っていたら、20回は来ていただろうに。岩魚なんて掬って取るものだと思っていた。なんて馬鹿なことしてたんだろう。 誰かが鹿島槍川の本流で60cmの岩魚を釣ったなんて言うのを聞いたこともあったが、掬ってとりゃいいもんをと思っていた。そのくらい岩魚なんて沢山いた。葛温泉っていうひなびた温泉にもしょっちゅう行っていたが、温泉の下の高瀬川の中にもお湯が沸いているところがあって、回りを掘って川の水を混ぜて遊んだ思い出も昨日のことのようだ。その高瀬川が釣りの好ポイントだなんてことが渓流釣りの本に書いてあるのを最近見て、びっくりした。姫川源流でも水は手に汲んで呑んだけど、魚釣りなんて考えも及ばなかった。誰しもとんでもないところに住んでいるのかもしれない。とてつもない場所だのにそれを知らないのかも。 山をボンヤリ眺めていたら見知らぬ老婦人が写真を撮ってあげようか?って言ってくださったので、甘えた。
なんだか、真っ黒で失礼します。銀次郎です。 このメガネは翌日川で落としてしまい、最後の晴れ姿になってしまった。ア〜メン。 あいば荘やかおるさんのことについては、リンク・ページからご覧ください。 翌日は、かおるさんの案内で菅平方面へ釣行だ。
菅平方面を望む。
カメラのレンズが汗で汚れていて、ボヤけていて申し訳ない!!かおるさんに無理言った。岩魚ぢゃなくてヤマメの釣れるところへ行こうよって。 しゃぁねぇなぁ〜。そんぢゃちょい遠いけどあそこへ行くかってことになって、出掛けましたね。ここは昔堰堤が沢山あった川なんだが、それを壊して魚が行き来できるように作り直したものだそうだ。 だから、落ち込みが連続していて、それぞれにお魚が居る様な気がするんだが、どっこいそうは問屋が・・・かなり厳しい釣りになった。
低い姿勢で誘い釣りをするかおるさん。 どうも、オイラの釣り技がヘボで、釣ってるんだか場を荒らしてるんだか、わからんような有様。最初の落ち込みでグンとくるマダラ族独特なアタリがあったきりで、明るいうちは一尾も掛からなかったのには驚いた。ついに本物の大堰堤に突き当たってしまったではないか?! 堰堤下のボサ場を釣る為にゴソゴソしてたら、いつの間にやらメガネが逃げ出した。お〜い!メガネぇ〜と呼べど応えぬ馬鹿メガネ。ついにこの川でオイラの身代わりになってしまった! かおるさんは、大堰堤下でフライ・ラインを投げている。おいらは堰堤の上に上がってみたらいるわ、いるわ。尺上から泣き尺、中型、小型が泳ぎ回っているのだが、何しろ水面までの距離がありすぎて、どうにもならん。日は照っているし、水は透明に澄み切っていて、こちらの動きは敵に丸見え。餌を振る竿の影を見てフフンとあざ笑うかのごとく、餌を見に来てはプイとそっぽを向くだけ。今日はいかんなあと思っているところへ地元のオジサンが見に来た。ここは釣れんだろ?と。 で、ダメもとで、堰堤に流れ込む上流へ足を向けた。そこは、いつも四国で慣れ親しんだ風情の渓谷になっているではないか? そうそう、こういうんでないと!早速、宝刀ミミズ丸を抜くや、一投目でヤマメが仕掛けに躍った。小一時間ほど渓流を釣り上がって数尾を得たが小型は放して残り4尾。 かおるさんがやってきて、堰堤下で尺物を掛けたが首をこっちに向けたかと思ったら針がスッポ抜けたという。腕が落ちたと嘆くかおるさんと、もう一度最初に攻めた堰堤崩れの落ち込みを狙おうや!と相成った。 最初に入ってから数時間が経っている。さっき掛け損なったヤマメももう、忘れているかもしれない 。 もう、5時を過ぎているが、ン、なもん平気だ。丁寧にトレースを重ねると辺りが暗くなってきたこともあって、釣れだしたもんだ。そのうち、月が出てきた。” 菜の花畑に入日薄れ、見渡す山々霞淡し〜”この歌の地に近いところだもん。最高の風情だ。目印も暗くて見えにくくなるまで釣って、二人で20尾ほどのヤマメだ。 帰途、町営の温泉にどっぷり浸かって体を暖めた。いやぁ、実に楽しい釣りだったなぁ。家に帰るともう、9時近くなっていて、かおるさんの奥方には叱られてしまったが、さっぱりした奥方なので、ビールなどをご一緒させて頂く内に、機嫌を直されたふりをしていただけた。本当はどうだったのか、神ならぬ身の知る由もなしである。 何度でも行きたい川であった。 それにつけても、かおるさんの身のこなしは、マタギ並で素晴らしい。高さ4m以上もある垂直に近いコンクリート壁を向こう向きに降りて行くのである。長靴のエッジを使って。おいらは怖くてとても降りられない。最後は飛び降りれば良いとのたまう。身長も6尺もある巨人だし、これ以来、T.Kaoruと呼ばせて貰うことにした。Tとはターザンの略。 ここは青春の思い出の地だ。昔懐かしい村への入り口に立って写真を撮った。
新潟方面を望む。この山の上にはひっそりした池がある。桂池という。サテライトがあり峰を越えてしばらく行くと新潟県に入る。
これは逆に東の方を見たところで志賀高原方面になる。いずれも40年前とほとんど変わらぬ姿で接してくれた。
|
||||||
| 戻る | 続き・・・ | |||||