蔓人参(つるにんじん) 世の中には奇妙なものがあるものだ。これも奇妙な植物である。初めて出会ったのは30代も後半に差しかかろうかといった時で、今から25年も前になる。 信濃大町は穂高や槍ヶ岳といった北アルプス連峰への登山口だ。大糸線は松本を始点として、30分ほどかけて信濃大町を経由し、姫川沿いに日本海に至る。いわゆる塩の道を走っているわけだ。 その大町から列車なら20分ほどで、簗場という駅につく。今では無人駅となっているはずだ。四半世紀前、駅から程近い山の中で、第一回日本ログキャビンスクールという、丸太小屋を建てるための学校が開かれた。 何を隠そう、銀次郎。この卒業生なんである。30代に入って、ログキャビンに興味を抱いていたので、兎に角丸太小屋を建てる学校なんて言葉に惹かれて、矢もタテも無く、駆けつけた。 当時、中央高速道は甲府までしか完成しておらず、そこからは国道20号線甲州街道を走って、諏訪、岡谷の町、塩尻峠を越えて、国道19号で松本まで辿るしかなかった。 今では著名なログキャビン・ビルダーになったH師のご指導のもと、太鼓に引いたカラマツの材に墨打ちをして、ノッチをチェーン・ソーで刻むという、初期のログビルディングだった。今のようなフル・ログによる迫力は無いが、比較的判りやすく、高さに狂いのない工法は素人にも夢を抱かせるに十分なものだった。 3泊4日の学校のベース・キャンプになったのが現地の民宿で、そこのオーナーがS氏だった。深い山に囲まれて数日を過ごし、やがて悲しき町人に戻った銀次郎の脳裏に焼きついて離れなかったのは、丸太小屋のことよりも、S氏が日々営んでいる山での暮らし方そのものだった。山の暮らしは裾野が広く、雪の怖さ、熊、スズメバチ、マムシなどにどう対処するか、食べられるキノコとは?タラの芽の取り方、岩魚の取り方などなど、面白おかしいS氏の話を聞いていると、ログキャビンなどというもの、山暮らしのほんの僅かな部分に過ぎないことが実感されたからだ。 山で暮らすのならトタン屋根の家でも良い。 さあ、その年の秋以降、丸太小屋を作るためではなく、山で遊ぶための簗場通いが始まった。 あるとき、簗場で過ごしていたら、S氏、自慢気に「これが蔓人参だ!」と妙な根っこをくれた。朝鮮人参の7倍の効力があるんだよと。何をもって朝鮮人参の7倍と言えるのか不明なところに不思議な迫力があった。
効能は、膝に溜まる水を1週間で抜いて見せるのだという。女性特有のリュウマチにも抜群に効くという。で、兎に角、ホワイトリカーに氷砂糖を放り込んで、蔓人参を漬け込んだ。 3ヶ月で飲めるといわれたが、勿体無いから3年は寝かせた。 飲んでみると、蔓人参特有のチョコレートのような香りと共に強烈なエキスを感じる。色々調べてみたら、どうやら古来より強精剤として有名なものだったらしい。カラダが兎に角暖かくなるのである。ドカンドカンと胸にコタエルのである。ま、お酒だから寒くはならないにしても、かなり血液循環が良くなったような気がした。 面白いから、何人の人にもこれを飲ませてみた。量は一回に小さいお猪口一杯だ。これを日に3回、1週間ほど飲用する。効きましたねぇ! 少なくとも7人の人はとても喜んでくれたものだ。ゴルフをやりすぎて小指の骨が出っ張って痛いという人には流石に効力は無かったが。 数年後、S氏がかの地を離れるまでは、すっかり入手先としてお世話になりました。S氏の後にお世話になったのは平湯大滝に茶店を構えていた方だった。この方にも3年ほど送って頂いた。自分は体が丈夫なせいか、自ら人参酒を飲用することは無かったが、最近になって肩の痛みが酷いので、これで治るかなと思って夏以降、平湯の人参酒を飲んでいる。 人参酒お猪口一杯にザクロジュースを加えて冷水で割ったものだ。 ザクロジュースは男の神聖なる病、前立腺癌に特効ありと今年名古屋市立大学医学部だったかな?のご研究によるもので、早速、その気のある銀次郎が試しておるものである。その後前立腺癌マーカー、PSA値のチェックはしていないが、結果については今後明らかにしたい。
今年は蔓人参の新しい仕入先を偶然発見した。素晴らしい山歩きの達人だった。さっそく入手して2006年版漬け込みを2瓶作った。これが飲めるまで生きてるだろうか・・・?と思いながら。 ここに達人に貰った効能書きがあるので、ご紹介したい。また、ご興味がある方は、当HPのリンク集から民宿「あいば荘」をクリックしてください。
2006年11月12日 日曜日
|
||||||
| tidbitトップ
|
HOME | NEXT | ||||